(仮)

アイドルマスターの小説を書くかも ※ただし、ブログに飽きるまで

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春は短し恋せよ乙女

「もう春かー……」
 事務所に向かう電車に揺れながら、窓から見える桜に思わず呟く。
 ここからじゃよく見えないけど、あの場所に行ったらきっと綺麗なんだろうなぁ。
「……いやいや、そんなことしちゃ遅刻確定しちゃうし」
 後でみんなと見に行こう。
 頑張った後で見る桜はきっと普通に見るより輝いて見えるはずだもん。
 想像するだけで気分がうきうきしてくる。
「ママー、あのおねーちゃん楽しそー」
「しっ、人を指差しちゃいけません! ……すみません」
「い、いえ、別にいいんですよ。 あはは……」
 ……少し、はしゃぎすぎたかな。
 それにしても、デビューしてから3ヶ月くらい経つのに、誰にも私が「天海春香」だと気づかれない。
 伊織はデビューした頃からリムジンで通ってたから別にしても、千早ちゃんとか真とかは電車に乗れないくらいの人気者なのに、この違いはなんだろう?
 ぼんやりとそんなことを考えてみる。
 例えば、千早ちゃんみたいに歌が歌えたら。
 例えば、真みたいにかっこいいダンスが踊れたら。
 例えば、伊織みたいにデコが光ってたら。
 ……最後のはなんか違う。
 とにかく、3人とも才能があってとても真剣にやってる。
 いや、他のみんなだって千早ちゃんたちに負けないくらい真剣にやってる。
 でも、私はどうだろう?
 今みたいに『桜を見よう』なんて考えて真剣にやれてるのかな?
 アイドルを目指した理由も漠然としてるし、本当にこれでアイドルと言えるのかな。
 私は……
「おねーちゃん、どーしたの?」
 袖を軽く引っ張られて、私はハッとした。
 いつの間にか、さっきの子供が私の目の前で心配そうに立っている。
「え、えっと……」
「すみません、うちの子が……!」
 答えに困っていると子供のお母さんが強引に子供を抱き上げた。
「こら、じっとしてなさい!」
「だってー、おねーちゃんかなしそーだったんだよー?」
「そういう時はそっとしておくの!」
「えー?」
 あの子供のお母さん子供を叱りながら、電車の奥の方に歩いて行った。
 別に私は気にしてないんだけどなぁ。
 むしろ、子供にもバレバレなくらい落ち込んでたなんて反省しなきゃ!
 そう思って、自分の頬を思いっきり叩く。
「……痛い」
 力加減間違えた……。
 しかも、電車の中でやったから思いっきり人に見られてる……。
『次はー』
 電車のアナウンスでそろそろいつもの駅に着きそうだということに気付いた。
 慌てて忘れ物がないかを確認する。
 よし、大丈夫!
 そして、私は勢いよく走りだした。
 今日も元気に頑張ろう。
 うかうかして桜が散っちゃう前に!
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  1. 2011/04/09(土) 00:58:24|
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